2014/06
高島の強みを生かした 高島自然エネルギー基本条例を!
一 般 質 問 通 告 書
平成26年5月27日
高島市議会議長 澤本 長俊 様
高島市議会議員 1番 熊谷 もも ㊞
次の事項について質問いたしたいので通告します。
※質問項目(番号)が2以上ある場合は、次のどちらかに○をつけてください。
・質問番号1の用紙にだけご記入ください。
・質問が一つだけの場合は必然的に1となりますので、記入は不要です。
1.全項目一括質問一括答弁
初問は
2.項目ごとに一括質問一括答弁
(質問番号1) 発 言 事 項 |
高島の強みを生かした 高島自然エネルギー基本条例を! |
要 旨 (項目だけでなく、質問の趣旨が理解できるように記入してください。) |
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現在、市の自然エネルギー推進のビジョンはどのような方向でしょうか。
私は単に「地球温暖化」に配慮し「原発に頼らない」「再生可能エネルギー」を推進するだけにとどまらず、例えば、森林の面積が72%を占める高島市ならではの強みを生かし、高島の自然エネルギー資源を生かしきり、そして、生活環境、里山の景観保全をしながら、高島ブランドの強化、雇用につなげ、高島市内経済を活性化するような「高島自然エネルギー」の利用推進につなげていくべきだと考えます。
「地球温暖化」にも「原発に頼らない」も考慮し、なおかつ「地域生活環境との調和」に配慮し、そして「市内経済の活性化」につなげるために、この広大な森林面積を抱える高島市は何ができるのか?それを今、考えましょう。
①「発電」よりも「熱」をそのまま利用しよう! 高島の自然エネルギー積極的な「熱」利用推進→→→
高島は日本海性気候で雪深く、冬場の「熱」利用はとても大きく市民の生活に必要不可欠な非常に重要なものです。
火力発電や原子力発電は、熱でタービンを回して電力に変換してロスし、それを送電してロスし、冬場の暖房でエアコンや電気ストーブやこたつの使用でまた電気を熱に変換してロスしています。
熱は熱として、そのまま利用することが一番効率がいいのです。高島の気候特性をかんがみて、自然エネルギーの利用推進に際し、発電に偏らず、自然エネルギーの熱利用をもっとも推進するべきだと考えますがいかがでしょうか?
今使っている電気の熱利用の一部を他の熱源に変えるだけで、電気の使用量は減ります。電気の使用量が減る、節電することと発電することは本質的に同じことなのです。
高島にもともとある太陽熱やバイオマスなどの自然エネルギーの熱利用を促進することで、発電所を作るより低いコストで、効率良くエネルギー自給率を高めることができると考えますがいかがでしょうか?
②まずは、バイオマス利用としての「薪ストーブ利用、県内一番!」を目指してはいかがでしょうか→地域生活環境、里山の保全と同時に高島ブランドの強化→→市内経済の循環と発展を!
なぜ「薪ストーブ」なのか?
●地球温暖化の原因にはならない 二酸化炭素を大量に排出することで、世界的な問題になっている「地球温暖化」。その原因の一つは、私たちが日常、暖房に使っている石油やガスといった化石燃料にあります。もちろん、薪ストーブも、薪を燃やせば二酸化炭素を排出しますが、その量は、樹木が成長する過程で吸収する二酸化炭素の量とほぼ同じ。つまり、木は二酸化炭素を出した分だけ吸収する賢い燃料なのです。さらに、化石燃料には限りがありますが、薪は循環型の資源です。 [カーボンニュートラル] 薪などの植物由来の燃料を燃やすとCO2が排出されるが、植物が成長する過程で同じ量のCO2が吸収されれば理論上は中立となり、地球温暖化に影響を与えないという考え方。薪は、広葉樹林を定期的、計画的に伐採すれば、切り株から新芽が伸びる「萌芽(ほうが)更新」や実生で持続的に生産できる。 ●微小粒子物質(PM2.5)の発生抑制の効果も期待される ●分散型エネルギーの主役の一つ ●防災、エネルギー自給、エネルギー対外支払いの削減 ●地域経済に対する貢献度が高い 化石燃料を使用する場合は、そのお金の多くは原油産油国に流れるが、薪は身近な森林資源を燃料とするため地域経済に対する貢献度が高い。また、薪は立木から薪にするまで木質ペレット製造に比較して、少ない化石燃料の使用で済みます。 ●薪づくりは製造工程がシンプル 薪づくりが障がい者の方たちの生きがい、仕事になっている事例(東近江市) ●人類と「火」との長い歴史的文化的関係から癒し効果 ●地域資源の有効利用と林業の振興 森林の活用が進み、林業の活性化、森林環境の保全に役立ちます。
ここで岩手県和賀郡西和賀町の取組みを紹介します。
西和賀町は、面積の約8割を森林が占めており、古くから森林とのかかわりが非常に深い地域ですが、近年の経済状況が厳しいなか、林業活動は低迷してきています。そこで西和賀町では、地域の資源である森林の有効利用を進めようと「薪ストーブ利用世界一」を目指して取り組みを進めています。森林組合と協力して、薪割り機の整備や薪供給の仕組みづくり、薪ストーブについての講演会を行うなど、導入に向けての働きかけを積極的に行っています。
電話で担当の内記氏にお話を伺ったところ、取組みの成果が出て、順調に薪ストーブの導入件数が増えているとのことでした。灯油の値段にも左右されますが、今年も6件新規の薪ストーブ導入がありました。それがなぜ把握できるかというと、新規に薪ストーブを導入した際に申請すると薪半年分2㎥、金額にして5万円相当の薪が進呈されます。町有林を利用した薪だそうです。これは西和賀町同様に雪深く、広大な森林面積を保有する高島市にとって参考になります。(「薪」利用最適化システム構築計画書〜森林エネルギー利用で切り開く西和賀町の未来推進事業〜 平成23年3月 岩手県 西和賀町)
しかしながら薪ストーブの設計・施工や管理状態の不備から発生する煙や煤の問題がその広範な普及を阻んできたきらいがあります。家庭等での小口バイオマス利用がすすんでいる欧米諸国ではすでに90年代に各種の基準が整備されてきています。一方で、わが国では、ストーブの設置等については、安全対策として消防法関連法規と建築基準法関連法規で規定がありますが、排気に関する規制はありません。
そこで、わが国でもバイオマス利用の安心・安全についての具体的・科学的知見に基づき環境影響に配慮した「木質バイオマスストーブ普及のための環境ガイドライン」が平成24年3月に環境省・平成23年度 地球温暖化対策と大気汚染防止に資するコベネフィット技術等の評価検討委員会から出されました。ガイドラインに沿えば、煙や煤の課題もクリアできます。
③豊かな自然環境に恵まれた高島の環境を最大限活用、アピールし、高島の自然エネルギーの利用を促進することに特化した条例「高島自然エネルギー基本条例(仮称)」を制定してはいかがでしょうか
現在家庭での太陽光パネルの設置補助などそれぞれの担当部署がばらばらに行っているように見えます。高島市環境基本条例やバイオマスタウン構想はすでにありますが、今、高島の地域特性を最大限活用、アピールし、「高島の自然エネルギー」の利用を促進することに特化した条例を制定することにより、公的、民間、個人の「高島の自然エネルギー」利用の促進がはかられると考えます。
高島独特の環境特性を生かし切る「高島自然エネルギー基本条例(仮称)」を策定し高島の自然エネルギーの利用促進、および、美しい里山の景観保全、そして市内経済の活性化につなげていきましょう。
県内他市の状況では湖南市が「地域自然エネルギー基本条例」を2012年9月に制定しています。湖南市では再生可能エネルギー育成を目的とした固定価格買取制度をもとに、太陽光の市民発電所が展開されています。
④発電設備の設置に際し、地域の自然景観や生活環境との調和を条例で定めてはいかがでしょうか
湖南市の「地域自然エネルギー基本条例」ですが、そのまま高島市に導入できる条例ではありません。私は高島市にはメガソーラーは不向きだと考えます。もともと高島は日本海性気候で積雪が多く、日照時間も短く太陽光発電に有利で効率的だとはいえません。今津のバイパス沿いの急傾斜地に並ぶソーラーパネルを見て、高島に「手つかずの自然」を求めて来た人はどう感じるでしょうか?また土砂崩れ等の心配はないのか?現状ではなんの手だてもできません。
参考になるのが、「由布市自然環境等と再生可能エネルギー発電設備設置事業との調和に関する条例」です。「趣旨」は発電設備の設置に際し、地域の自然景観や生活環境との調和を求めるものであり、「条例の概要」は発電設備の設置に一定の規制をかけるために、規制対象となる事業の規模、抑制区域の種類、設置申請手続、審議会の設置、不利益処分などについて定めています。
高島の強み、高島ブランドとはなんなのか?それをしっかりと認識する必要があります。
⑤「地域自然エネルギーは地域固有の資源である」と条例で宣言してはいかがでしょうか
市、事業者、市民それぞれの役割を明確化し、地域経済活性化につなげる取組みを推進し、地域社会の持続的発展に寄与することを目的とし、「地域自然エネルギーは地域固有の資源である」と条例で宣言してはいかがでしょうか。
「原発に頼らない再生可能エネルギー」を国、県、そして市も推進したいとのことですが現在原発は稼動しておらず、火力、水力発電によって「原発に頼らない」は達成しています。火力発電は技術革新が進み、効率が良いといえます。 また、現在固定価格買取制度によって支えられる指定された「再生可能エネルギー」は本当に環境に調和が取れて、効率がいいと言えるのか?20年の固定価格を保証することにより技術革新が進むのか?また高い固定買取価格は国からの補助ではなく、消費者、私たちの負担です。制度策定にあたっての先進事例ドイツでも問題が表面化しています。
太陽光発電にしても風力発電にしても、太陽光パネルや風力発電設備製作工場が高島市内にあるわけではありません。固定価格買取制度で元が取れたとしても、結局お金が流れて雇用につながるのは市外です。また電力も発電された場所で消費することが最もロスが少なく済むのです。
高島市内にはエネルギーを十分自給できるだけの、 他市が真似したくてもできない豊かで大きなポテンシャルがあります。
高島の豊かで明るい未来を高島の自然エネルギーで切り開いて行きましょう!
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再質問
まきストーブの利用の促進に関して、熱源の効率性や投資費用とかを引き続き研究されたいということと、あと、平成20年2月の高島市地域新エネルギービジョンの見直しとかについておっしゃってくださったのですけれども、それをいいますと、平成20年2月の高島市地域新エネルギービジョンによって、新旭の熱供給施設があると思うのですけれども、それについてはどのように評価しておられるか教えてください。
(回答)
まず、熱源の効率性や投資費用ということでございますが、まきの利用の要は労力とか仕事量、そういう効率なり、まきを貯蔵するには、必要な容積は需要の約7倍というふうに言われています、そういう効率性を言っているものでございます。
それと、投資費用というのは、まきストーブ、平均しますと、煙突等の要は整備も含めまして約70から100万円というようなデータも出ております。そういう投資費用を言っているものでございます。
それと、20年2月に策定しました地域新エネルギービジョンにつきましては、熱供給施設の後にできているものでございまして、熱供給施設を目指してできたビジョンではありません。それと、20年2月ということは、原発事故前のビジョンでございます。原発後、国においても見直しをされていますし、県においても見直しをされていますので、原発後の再生可能エネルギーの利活用として見直していきたいということでございます。
熱源の効率性や投資費用で、まきストーブが70万円から100万円かかると思うのですけれども、それで熱供給施設で燃料費とか修理代とかですごい毎年600万円とかかかっていますよね。そういうのを考えたら、毎年それで10年間とかも続いていて、そんなのだったら70万とか全部補助したとしても毎年10台のまきストーブとかを全額補助とかできますよね。というふうに思うのですけれども、本当に、だから熱源の効率性や投資費用とかは熱供給施設には全然考えないのかというふうに思うのですけれども、どうなのでしょうか。
(回答)
現在の熱供給施設につきましては、要はチップを燃料としているものでまきではございませんので、中には入っていないということです。
○議長(澤本長俊君)
まきやチップという話ではなく、今、熊谷議員がおっしゃっているのは、木質チップでも600から700という費用をかけているだろうということをおっしゃっているので、まきや木質チップの違いを言っているのではないのです。
吹田環境部長。
◎環境部長(吹田嘉幸君)
熱供給施設につきましては、毎年相当な赤字といいますか、そういうものが出ている施設でございます。実際に修繕等にも費用が要っている施設でございまして、施設につきましてはこれからも検討をしていきたいというふうに考えておりますが……。
◎市長(福井正明君)
今ご質問の熱供給システムの市の投入している費用、それで例えばまきストーブの設置の支援制度と比較すれば、もう少し経費的にも結果的に安くなるのではないかというご趣旨のご質問だと思うのですけれども、ご案内の17年に設置をされました旧の新旭町地先での熱供給システム、これは非常に高機能、高度な施設であるのと同時に、その使用する燃料としての木質チップの品質の均一性が求められて、なかなかそうした高品質な材料が確保しにくいということから、往々にして故障なり熱供給の提供に支障を及ぼしているというのがこれまでの実態であります。おおよそ8年ないし9年経過したわけでありますけれども、日々故障も頻発をしているということから、多額の修理費用を要しているというところであります。
しからばその施設を廃止して、切りかえていってはどうかということになるわけでありますけれども、これは国庫の補助事業で施設整備もされ事業運営をしているということから、今現在それを廃止してしまいますと多額の国庫補助金の返還をしなければならないという課題と、あわせて熱供給をしている先が特定の医療機関であったり、あるいは市の公共施設であったりということから、直ちに熱供給の提供を廃止できないという、そういう課題も一方でございます。ですから、熱供給につきましてはもうしばらく、以前から議会にもご相談させていただいていますように、一定整理をするという方向で今現在議論はさせていただいているところでもございます。
それと、それであればまきストーブのほうに必要な経費を振りかえれば、まきストーブの導入拡大につながるのではないのか、こういうご趣旨だと思いますけれども、それは少し観点が違うのかなと。市として、まきストーブの整備について、今後どういうふうな対応なり、あるいは支援も含めた課題があるのかということを、先ほど担当部長がご答弁申し上げましたように、そこはしばらくお時間をいただきながら研究をさせていただきたいという趣旨でございます。
私が今回、高島の強みを生かした高島自然エネルギー基本条例をと言ったのは、今、ここのお手元に資料配付させていただきました、湖南市地域自然エネルギー基本条例もありますけれども、見ていただいたらわかりますように、基本条例といっても本当に1枚という、本当に地域の自然エネルギーは湖南市だったら湖南市のものだという、地域のものだということを宣言するということと、自然エネルギーの定義、そして自然エネルギーとはどういうものかという基本理念と、あと市の役割、事業者の役割、市民の役割と連携の推進、そして各種の推進及び普及啓発、基本条例だから本当に簡単な条例だと思います。どうしてそういう条例が何かつくろうというふうに言えないのかなと、地域新エネルギービジョンとかもすごく分厚い冊子なのですけれども、それをこうやって平成20年につくって、今、平成26年で、高島市の現在、どうなっているのかなと思うのです。それで本当に効果があったのかなというふうに思います。それだったら、まず地域自然エネルギー基本条例というのを1つ出してしまって高島の強みを生かすというか、高島の自然エネルギーを生かすのだということを宣言したらどうかなという提案をさせていただいたのですけれども、それが何でいけないのか教えていただきたい。
(回答)
基本条例ということでございますが、現在、市の環境基本条例の中に、基本方針として里山や森林の保全と再生、それと高島市の自然エネルギーの推進のことは明文化をしてございます。そういう中で、またもう一つの基本条例というのはそぐわないのではないかということを思っております。
この高島の環境基本条例で、それでちゃんと十分目標というかそういうのが達成されているのだったら私はそれで十分だなと思うのですけれども、十分でないと思うから、高島の自然エネルギーを使うのだという、それだけに特化した条例をつくってはいかがですかというのが今回の一般質問の提案なのですけれども、どうでしょうか。
(回答)
まず、現状を把握する、それと問題点を整理しながら要は長期的に取り組む課題なのか、また条例が必要なのか、条例でも基本条例がよいのか推進条例とするのか、規則でよいのか、要綱でよいのかというところもあわせて検討してまいりたいというふうに考えております。
私が今回、この基本条例というのを何で提案させてもらったかというと、やっぱり基本条例というと、1枚これだけつくっただけで湖南市はとても注目されていると思います。こうやって、すごい何か自治体の紹介とかでも本当にクローズアップされていますし、自然環境と環境学習とかそういう大きいシンポジウムとかがあっても湖南市はとても注目されていますし、もちろん湖南市にはもとから市民協働のまちづくりというのが、市長もかわらなくて継続的にずっと行われてきたということとかもあるかもしれないのですけれども、何かそういう目立つことをしたほうがいいのではないかなと私は思うのです。注目してもらったほうが、宣言してしまったほうが。そして、この湖南市地域自然エネルギーの基本条例をまねしただけでは全然注目されないのですけれども、それとはまた全然違った高島らしい、高島市でしかできないような自然エネルギー使うのだということを宣言するということが、まず高島のPRにもつながりますし、市民の人にも伝わるであろうし、そして市外・県外の人にも注目してもらうことがすごく大事なことなのではないかなと思って今回提案させてもらったのですけれども、いかがでしょうか。
(回答)
基本となりますと、いろんな基本条例があるわけですが、基本理念が極めて重要だというふうに認識しています。この理念というのは、自治体が置かれた現状や行政課題に対して、どのように向き合っていくかを明確に示していかないといけないということになります。エネルギー政策というのは本来国が責任を持って進めていくものでございますので、国の政策や社会情勢、経済状況、これによって自治体の政策も左右されるということから、市としましては短期・中期の政策課題という認識をしております。そんな中で、基本条例となりますと、自治体の総意としての長期的なものでなければならないということになりますので、基本条例という性格ではないのかなという思いをしています。逆にアピールする上では、推進条例なり規則、それとか要綱、そういうものでアピールはしていけるものというふうに思っております。
十分にできるその根拠というのが十分に説明されていないと思うのですけれども、ちょっと教えてください。
(回答)
まず、地域新エネルギービジョンの見直し、それを公表なりお知らせすることによってアピールできるというふうに考えております。
今までも、高島市の環境基本条例やバイオマスタウン構想や、そして高島市地域新エネルギービジョンというのが、こうやって今まで高島市ができてからあったと思うのですけれども、それで本当に十分アピールできているのかいなというところからの、私の今回の基本条例はどうですかという提案でありますし、そして、十分にできるとは何をもって十分にできるというふうにおっしゃられているのかというのが、私が十分にできるというのは、例えばこうやって高島市が何かメディアに取り上げられるとか注目してもらうとか、それぐらいやってもらって十分できたなというふうに思っているのですけれども、こうやって高島市の地域新エネルギービジョンをつくってもらって注目してもらえると思っておられるのか、どの程度をもって十分だと思っておられるのか教えてください。
(回答)
ビジョンを見直しして、その方向なり公表するのは行政手法でございますが、一方、その計画をどう反映させていくかということが肝心ではないかというふうに考えております。
◎市長(福井正明君)
少し整理をする意味で答弁させていただきます。
議員のほうからもご質問の中でいただいておりますように、高島市には既に市の環境基本条例がございます。さらに、この答弁、先ほど担当部長がしましたように、市の新エネルギービジョンといったものを平成20年に策定をしている、あるいはバイオマスタウン構想も既に策定をしている、その実効性についていささか課題があるというのが現状認識であります。これまで議会で再生可能エネルギーの件に関してさまざまなご質問をいただいてまいりました。そういう中で、これまでを振り返りながら検証する中でやはり課題があるという認識をしましたことから、この4月に組織の改編の中で環境部という部を新たに設置させていただき、議会にご審議をいただいたわけであります。そういう思いの中で環境部を立ち上げさせていただき、まずは市の現状の課題、それからあるべき姿を今後検討・研究をさせていただきたいという思いがございます。
それとあわせまして条例制定についてでありますけれども、先ほどからの議論で私が思いますのは、条例を制定することによって市の環境問題に対する姿勢をアピールするためのものでは私はなかろうというふうに思うわけであります。条例の中には、例えば湖南市の基本条例にもありますように、例えば市の役割、あるいは民間事業者の役割、あるいは市民の役割といったものも、一定条例として定めます以上は、それぞれの理解なり、あるいは協力をいただかなければならないということから、条例ありきの議論はいささかどうなのかな、課題があるのではなかろうかなと思うわけであります。
そういう意味からしますと、まずは先ほど言いましたように環境部を設置させていただき、そして市内の再生可能エネルギーの実態、それから将来の可能性、そしてその先に高島市として自然再生可能エネルギーのかかわり、あるいはそれに対する取り組みがどうあるべきなのかということを検討させていただき、その1つとして既存の20年に策定をされております新エネルギービジョンについて、まずはそこの見直しからやらせていただきたいというふうに考えているところでございます。その中で、条例の制定の必要性、あるいは既存の環境条例の必要な見直しも一定視野に入れていくべきではなかろうかなというふうに思っているところであります。
よくわかりました。
先ほどのまきストーブのことで効率性のことについておっしゃっていただいたのですけれども、カロリーに対してはその容積が7倍要るとかおっしゃられたのですけれども、森林ももちろんそうですけれども、森林も豊かにあるし、もちろん貯蔵する場所もそれもいっぱいあるのではないかなというふうに思うから、だからこそまきを使っていくべきではないかなというふうに私は思いますし、エネルギーのことは国によって左右されるとかではなくて、そういうふうに高島市がエネルギーは国によって左右されるというふうに思っているのだったら、こんな地域自然エネルギー基本条例なんか高島市はつくらないなというふうに思うのですけれども、やっぱり高島市の自然とか山林をエネルギーだと高島市が思わないと高島市を生かせていけないというか、何か昔だったらまきを使って山林の手入れができていたから里山の環境が美しく維持されていたけれども、今こうやってみんながまきとかを使わないようになって山に人が入らないようになって、山がぼろぼろになって防災とかの面でも山崩れとかが起こってとかという現状とかが、こうやって今現状が既に問題が表面化している、検討とか研究とかそういうレベルなのかなというふうに私は思ってこういうふうに提案させてもらっていますし、労力が要るというのも、労力が要るからこそそれがまた雇用とかにつながるという話ですし、市とか行政に何ができるのかということを考えたら、まずは条例とかそういうことしかできない、まず宣言することしかできないし、いうたらあと仕組み、仕組みをつくることがとても大事なので違うかなと思います。やっぱりやってもらうのは市民の人であると思いますし。私は、今回の提案も今までの提案もそうですけれども、森林の価値を認めて、かつ本当お金がかからんことを私は提案させてもらっていると思います。別にまきストーブの補助をお願いしているわけではありませんし。こうやって紹介させてもらった岩手県の事例もまきストーブの補助をやってはるわけではなくて、まき割り機の整備やまき供給の仕組みづくりやまきストーブについての講演会を行うと、別にそんなお金かかるようなことはしていないのです。そういうことが、高島市はお金のかからないことも何でできないのだというのが今回の提案の思いの中であります。高島の森林とか自然エネルギーを生かすということについてどう思われているのか、農林水産とかも含めていろいろな部署にかかわることだと思いますけれども、ちょっと考えをお聞かせください。
(回答)
森林を守り育てる方法といいますか、まずは林業の活性化が必要だというふうに感じています。木材生産や供給についての支援、こういうものも、現行もありますが、今後も検討していくことが必要だというふうに思っております。
また、多くの方に森林のよさ、大切さを知っていただくための勉強会といいますか講演会、こういうものの実施、それから山の下刈りに入っていただくためのボランティアの育成、こういうことも研究していきたいというふうに考えております。
では森林政策についてお伺いします。
(回答)
◎農林水産部長(清水安治君)
本日質問いただいております中で特に森林資源ということで、その森林についての行政を担っている立場で農林水産部長としての答弁になりますが、基本的に本日ご質問いただいている特に条例の考え方については、先ほど環境部長がお答えしました答弁、またその後の再質問についての答弁のとおりであります。
その中で、森林資源につきましては、高島市内には近くにかつ確実に、またそれも豊富に存在するということは認識しております。ただ、これを地域の中で、熊谷議員おっしゃいますように小規模地域分散型という手法で使っていくということになりますと、やはり資源が十分に循環するという仕組みがまずないと難しいのかなと思います。条例を制定することによって、ある意味、施策をトップダウン的に宣言するという方法も1つあるのかなと思いますが、一方で、その施策のボトムアップということで、恐らくまきストーブやまきボイラーというのは各個人や事業所が利用されるということになると思いますが、そういった方々が地域の中で十分認識を共有されて、そういったことにかかわっていくという意識が醸成できないと、一方的に条例をつくってもなかなか持続的に展開できないのかなと思います。そういった意味で、そういう意識の共有や、先ほど環境部長が申しました研究等を重ねて、そういう機運を盛り上げていくことが先決かなというふうに考えております。
森林を生かすということについては、私は前回もまきストーブのことを提案させてもらっていますし、今後もさせてもらいたいと思います。ありがとうございました。