近江商人発祥の地、近江今津の商業都市としての潜在的可能性
一流デパートの高島屋は1831年(天保2年)、京都で飯田新七が古着、木綿商を開き、義父の飯田儀兵衛の出身地である滋賀県高島郡、現高島市から高島屋と名づけられました。
近江今津は近江商人発祥の地です。鯖寿司、鯖街道の流れ、日本海から、また琵琶湖の湖上運送、交通の要所であります。近江今津の地元の気質は、誇り高い頑張りやさんだと、私は毎年夏に行われるやっさ今津のお祭りで感じます。
また、ヴォーリズの建築物も国の登録有形文化財に指定されている旧百三十三銀行今津支店、現在の今津ヴォーリズ資料館をはじめ、旧日本キリスト教団今津協会会堂、現在の今津幼稚園の園舎、旧今津郵便局と近江今津に3つ残り、当時のにぎやかな都会の情景が思い浮かびます。
提案1、高島の経済の中心の一つとして、今津は大変重要な拠点です。今後の夢ある土地活用の計画をつくっていくことが大事だと思います。高島市安曇川駅周辺活性化検討委員会のような委員会を今津地域に対しても立ち上げて、活性化策のアイデアを出して、実行していくことが必要な取り組みだと考えますが、いかがでしょうか。
◎商工観光部長(俣野吉治君)
今津地域は古くから若狭街道や西近江路などの陸上交通と大津、京都へつながる湖上交通の要所の地として栄えてまいりました。
また、湖西線の開通とともに、近江今津駅を中心とした商店街などによりにぎわいを見せてまいったところではございますが、近年では郊外への新たな大型店舗などの商業施設の立地により、これまでの今津駅周辺のにぎわいは、にぎわいが失われつつございます。
そうしたことから、合併前には旧今津町商工会が中心となり、地域住民や行政等が連携しながら、TMO事業推進機構まちづくり近江今津を組織され、空き店舗対策や景観形成など活性化に向け取り組まれてまいりました。しかしながら、現在、郊外への商業施設の立地による商業圏の移行が進んでいるのが現状でございます。このような状況の中、かつての駅周辺のにぎわいを取り戻すべく、議員がおっしゃるとおり今津地域にあるヴォーリズに代表される歴史的な建造物、浜通り、さらには旧街道のまちなみなど魅力的な資源を活用しながら、郊外の集積化が進む商業施設などを含めた地域の活性化に向け、地域住民や関係者と行政が一体となった取り組みが重要なことと考えているところでございます。
◆1番(熊谷ももさん)
それでは、再質問させていただきます。
今後の市庁舎整備にも関連することだと思いますので、本当に今津の活性化策というのは政策的にすごく大事なことだと思いますので、今津の活性化するという意欲なり何か気持ちを述べていただきたいなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
◎政策部次長(澤新治君)
議員仰せのとおり、今津におきましては、長い歴史と特に文化にはぐくまれたすばらしい地域特性があるというふうに理解しております。ちょうど合併後10年を迎えまして、これからさらなる新たな10年の新しいまちづくりを考えていく時期にあると思います。さきの議会でもご提案いただいております今の現在の高島市の総合計画が、平成28年度で終期を迎えますことから、早めに市民の皆さんと一緒に、これからの新しい10年をしっかりと考えていくということで、今津町はじめそれぞれの地域のさらなる活性化と本市の一体的な発展をしっかりと描けるような総合計画を早くから準備をしていくというようなことを思っております。
◆1番(熊谷ももさん)
安曇川域周辺の活性検討委員会をつくるとかいうのだったらわかりやすいかと思うんですけれども、例えばそのような委員会なりをつくるというお考えとかはありませんか。
◎政策部次長(澤新治君)
まだ個別具体の委員会とかになりますので、今の時点では、私が申し上げられますのは、直近します総合計画の考え方を少し述べさせていただきました。そのことについては、また今後早めに検討させていただくということになろうかと思います。
◆1番(熊谷ももさん)
私はやはりもっと夢を描いたほうがいいと思うんです。例えば、まずビジョンを市民の皆さんに提示するなどしていかないと、夢がある、将来に希望がある未来というか、そういうプランをまず描いて、それに向かって頑張っていくみたいなことがすごい大事だと思うんですけれども、今、この現在では今津に対する夢あるビジョンがちょっと見えていないのではないかなというふうに私は考えます。
だから、もっとそれをまず話し合うような場があったほうが私はいいなというふうに考えますが、いかがでしょうか。
◎市長(福井正明君)
確かにその安曇川駅周辺につきましては、私の政策の一つとして、あのような旧の平和堂の建物が、使用が廃止をされた後、様変わりをしているという状況から、特に安曇川の中心市街地活性化計画をおつくりさせていただきたいということで、政策としてやらせていただいた。
ただ、湖西線が開通して40年を迎えている中で、安曇川以外の各駅についても、非常に使い勝手が悪い状況になっているということで、安曇川駅を除きます市内の5つの駅について、本年度もう既に予算を成立させていただいて、現在5つの駅のいわゆる基本構想を今おつくりさせていただいているところでございます。
とりわけ基本構想策定に際しては、一般の民間のコンサルだけではなしに、特に今回の基本構想の策定に際しては、立命館大学の学生も含めてこの計画づくりに参加をしていただいて、おおよそ年度内にはそれぞれの駅の基本構想の提出がされるだろうというふうに期待をしているところであります。
そういう意味で、これからも各それぞれの地域ごとのそれぞれの活性化に向けて、一つの核として各駅を活用したまちづくりビジョンを、そこを起点に計画づくりを進めていくことになろうかなというふうに考えておりますし、そういう思いで、駅の基本構想づくりについて着手をさせていただいたというところでございます。
◆1番(熊谷ももさん)
駅周辺の活性化はもちろんなんですけれども、やっぱりまち全体というか、高島市の経済の発展ということを考えて、商工観光部長がお答えいただいた中で、郊外への商業施設の立地による商業圏の移行が進んでいるというのが実情であるとおっしゃられたのですけれども、ここって郊外ではないのかなという。そう思いませんか。高島市にもっと大きな商業施設があってもいいのではないですか。そこから、例えば福井や長浜や堅田から来てもらえるような商業施設もあってもいいのではないでしょうかというふうに、そういうような例えば大きな夢のあるビジョンとか描けないのかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。
◎商工観光部長(俣野吉治君)
まず、郊外と書かせていただいた部分ですけれども、それはあくまでも駅周辺という部分に対しての、そこから離れた場所という意味の郊外というような表現でさせていただきました。
先ほど大きな商業と申しますと、やはり今現在も、安曇川も含めましてさまざま、平和堂、バロー、ケーズデンキ、ヤマダ電機と大きな量販店などもたくさん林立しております。これからもさらにふえていくであろうという、そこは十分予測されるというような、回答の中にも表現させていただいているところでございます。
そうした中とあわせまして、今津であれば議員がおっしゃっておられますように、歴史的な部分で歴史を思わせるような今津のよさという中での商業地域性のさらなる復興というような方向での今後話もちょっとつけ加えさせていただいたところでございます。
◆1番(熊谷ももさん)
私が伝えたいというのは、今津というその土地が交通の要所であるということは、本当に福井からでも長浜からでも堅田とかからでも来ていただけるような交通アクセスがよいという、本当に周囲から人を呼び込めるような、そんな魅力のあるポイントではないのかなというふうに思うのです。
今津の活性化ということを考えたら、もっと大きいビジョンというか、夢のあるプランが描けるのではないか。もちろんこの歴史とか伝統というか、ヴォーリズとかこういうことは大切にしながら、かつ皆さんに来ていただけるようなまちづくりというのが今津の特性を生かすことになって、それが高島市とか全体の中でも今津というポイントはすごく大事なのではないかなというふうに思います。
また、商工観光部長が答弁していただいた中で、大型店舗があるから、駅周辺のにぎわいが失われたというふうに述べられているんですけれども、本当にそうなのかなというふうに、このストーリーも私は疑問に感じています。
例えば大型店舗と商店街をリンクさせて、両方とも活性化できるという施策というのが打ち出せるはずなんです。商店街と大型店舗が共存している、例えば共通のポイントカードを使うことによって、商店街のほうも人が来て、大型店舗で買い物をしたそのポイントが商店街で使えるというふうな取り組みをされている地域もあります。そういうことを考えると、商店街が寂れているのを全て大型店舗のせいにするのは、品ぞろえも違うのだからおかしいのではないかなというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
◎商工観光部長(俣野吉治君)
誤解をされると困るんですけれども、私は大型店があるから商店街が寂れたというような言い方ではなくて、やはりどうしても集客的な部分で、大型店舗のほうに人がとられていく中で、必然的に当然そういう現象が起こり得るであろうと。ただし、今津としてのよさの中で、今まである商店街がさらに復興してにぎわうような方向で、やはりしっかりと住民の皆さんと行政、それまでは商工会あたりが一緒になって一緒に検討させてもらうというような方向は大事であるというようなご発言をさせていただいているところでございます。